こんにちは、Apricotです。
明日はMemorial Day(メモリアルデー)。アメリカでは大事な祝日の一つです。
アメリカに移住してから、意外と知らない祝日が多いことに気づくこの頃。このMemorial Dayという祝日もつい最近知ったのですが、私の夫はVeteran(退役軍人)なので、他の祝日とは違ってちょっと気になる祝日です。
そんなわけで今日は、Memorial Dayがどんな日かをご紹介しつつ、Veteranである夫を通して私なりに感じた、日本とアメリカの「軍人」への意識や待遇の違い、そしてメモリアルデーセールについてもお届けしたいと思います!
Memorial Dayは戦没者を追悼する日
メモリアルデーとは、日本語では「戦没将兵追悼記念日(せんぼつしょうへいついとうきねんび)」と呼ばれ、毎年、5月の最終月曜日がその祝日にあたります。
この祝日は、兵役中に亡くなったアメリカ合衆国の男女を追悼する日である。最初は南北戦争で亡くなった北軍兵士を称えるために始められた。第一次世界大戦の後、あらゆる戦争、軍事行動で亡くなったアメリカ合衆国の兵士を含むように拡大された。
-出典:Wikipedia
この日に、人々は墓地や記念碑を訪れるほか、午前中は星条旗の半旗を掲げるのが伝統なんだそう。また、アメリカの各国立墓地では、ボランティアの手によって星条旗が手向けられるんだそうです。
戦没者を弔うという意味では日本の「終戦記念日」に近いですが、アメリカでは日本のような”厳粛なムード”に留まらず、各地でパレードやイベントが行われたり、現役・退役軍人を労う様々な催し物があったりと、もっと広義かつ盛大なかたちで迎えられます。
また、このメモリアルデーウィークエンドは、アメリカでは数少ない3連休の1つ。一般の人々は家族で集まったり出かけたりすることも多いよう。そしてメモリアルデーが終わると、いよいよ「夏の到来」と人々は考えるみたいですよ!
軍人はアメリカではヒーロー!?
ところで、皆さんは「軍人」というとどんなイメージを持ちますか?
先にご紹介したとおり、私の夫もVeteran(元軍人)。イラク戦争にも2度派遣された経歴を持ちます。
ちなみに、「Veteran(ベテラン)」というと、日本語では「熟練者」のことを指しますが、英語では一般的に「退役軍人」のことをいいます。日本語のイメージとはだいぶ違うので、私も最初に知ったときは戸惑いました(苦笑)
私が日本で「軍人」に好印象を持てなかった理由
実は今だから言えることですが、日本で夫と知り合った当時の私は、「軍人」に対してあまりポジティブなイメージを持っていませんでした。
なぜかな?…と考えてみると、思い当たる理由は2つ。
1つめは「アメリカ兵=沖縄での犯罪」というイメージが強くて、自分のなかで「問題ばかりを起こす人たち」というレッテルを知らず知らずのうちに貼っていた、というのがあります。
そしてもう1つは、現代の日本人には「軍人」という存在自体が疎遠であること。日本には「自衛隊」がありますが、日本自体が平和なうえに、自衛隊の役割も「軍」に比べると限定的。「彼らがいかに国のために活躍しているか」ということを、普段の生活のなかで実感する機会は少ないように思います。かといって、世界大戦を戦った日本の「軍人」の活躍ぶりが語られることも多くはありませんね。
「軍人」に対して、ポジティブな印象というよりも、そもそもあまりピンと来ない、というのが日本人の大半ではないでしょうか。
アメリカ人の「軍人」に対する意識は全然違った
でも、アメリカに来てから、私の持っていた「軍人」へのイメージは大きく変わりました。アメリカの人々は、「軍人」に対してとても敬意の念を持っているんです。
アメリカには、独立戦争に始まり、南北戦争、二度の世界大戦やベトナム戦争、イラク戦争…と、常に戦争とともに時代を歩んできた歴史があります。「自分たちの国は戦いから生まれ、そして今の平和な世の中があるのは、戦場で戦ってきた人々のおかげ」という根本的な意識があります。
また、日本と違って、自分たちの国を守るのは自分たち。テロという新たな脅威にも晒されるなか、国民の代わりとなって安全を守ってくれる「軍人」に、人々は特別な敬意を払うのです。さらに、実際に現役・退役軍人が身近に多いことも、人々の理解や尊敬を促す理由になっていると思います。
とにかく、アメリカ人にとって「軍人はヒーロー」さながら!アメリカに移住してきてから、まずこの国民の「意識の違い」に驚きました。
「軍人」への待遇がなかなか凄い!
そして、「軍人」はアメリカではとても大事に扱われます。特に退役してからの待遇がなかなか凄い!
例えば、負傷の程度や貢献度に応じて、年金をもらえたり、無償で医療を受けることができたり、就職斡旋をしてもらえたりします。
また、アメリカのローカルなレストランなんかでは、退役軍人のIDを提示するとディスカウントをもらえることも。そのときに「Thank you for your service! (国のために従事してくれてありがとう)」と言ってもらえるのも嬉しいものです。
そして、特典はこんなところにも↑。最近、ベテランオフィスから夫に送られてきた、特別な車のナンバープレート。「IRAQ VETERAN (イラク戦争に行った退役軍人)」という文字が入っていて、彼は嬉しそうに自分で付け替えていました(笑)
アメリカに来てから、こういった人々の「軍人」に対する意識や待遇に触れたことで、私の抱いていたこれまでのイメージは一転。ベテランである夫は「国のために戦った、アメリカ人の誇り」なんだなと、改めて思うようになりました。
Memorial Dayは特別優待やセールが盛りだくさん!
アメリカに来てから思うのは、アメリカ人はどんな祝日でも、パレードやイベントなど、なんでも「お祭りごと」に持っていく傾向があります…追悼の日であるメモリアルデーでさえ、「Happy Memorial Day!!」なんて言葉が飛び交う始末(笑)さらに、なぜかたいていの祝日で「セール」がありますw
日本の「終戦記念日」にこんなセールを大々的にやったら顰蹙(ひんしゅく)を買いそうですが、アメリカではもちろん「Memorial Day Sale」は常識!
「戦没者追悼の日」が拡大解釈されて、「現役・退役軍人への感謝デー」がさらに「一般向けセール」へと発展したカタチ…(^^; ちょうど春から夏への「季節の変わり目」というのも、セールのリアルな理由かもしれません。
この週末は、現役・退役軍人はスーパーやレストランで特別優待を受けることができるほか、一般人向けにもデパートや家電ショップを中心に、大々的なセールが催されます。
★Free Memorial Day offers for Military 2017 :: WRAL.com
今年、ミリタリー(現役・退役軍人)が受けられる特典をまとめたサイト。スーパーや薬局のほか、HootersやOutback Steakなどのレストランが多いですね。
★Memorial Day Sales 2017 – Coupons.com
今年のメモリアルセール情報サイト。家電やデパートのほか、GAPやKate Spade、Banana Republicなど人気のアパレルブランドでもセールをやっている模様☆
残念ながら、小売業界で働いている夫は「メモリアルデーセール」の真っただ中で、ベテランの恩恵どころか休みもない可哀想な週末なんですが…
「仕事終わったら、買い物について来て!」
と夫を連れまわす気満々のワタシ(笑)
「旦那はクーポンじゃないんだぞ!!」という声が聞こえてきそう…!?
というわけで、いかがでしたでしょうか?
今回は、Memorial Dayについて調べていくなかで、日本とアメリカの「軍人」に対する意識や待遇の違いに少々考えさせられた私。
世界大戦を戦った日本の「軍人」や「自衛隊」は、日本では追悼はされても、アメリカのように「英雄扱い」されることはなかなかありませんね。もちろん、日本が長らく平和であることの表れかもしれませんが、「敗戦」という事実や「アメリカによる統治」、「憲法9条の定め」によって、少なからず「軍人を讃えることが社会的にタブー視されてきた」という背景もあるのではないかと思います。
日本は確かに間違った道を辿ったかもしれないけれど、日本でもアメリカでも「国のために戦った兵士」がいた(いる)ことに変わりはありません。日本でも、もっと「軍人や戦没者」が大切にされても良かったんじゃないかな、と少し残念な気持ちになってしまいました。
でも、それもアメリカに来なければ、夫がベテランでなければ考えることのなかったことであって、今はこうして改めて夫を誇りに思えることができて良かったと思っています。
…と、なんだか最後に暗くなってしまいましたが(^^;;、そんなことを思ったりしたMemorial Dayでした!
というわけで、今日はこの辺で!今日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました♡