こんにちは、Apricotです。
今日は少し物々しいタイトルにびっくりされた方もいらっしゃるかもしれませんが…先日、とあるきっかけで「射撃体験」をしてきました!
日本ではなかなかできない「射撃体験」。今日はその「きっかけ」と「実際の射撃場での様子や感想」、そして今回自分なりに「銃社会・アメリカについて考えたこと」や「Preppersと呼ばれる人たちの存在」についても書いてみたいと思います。
射撃体験のきっかけ
「射撃」というと聞こえは良いのですが、包み隠さずお話すれば、最近夫が「銃」について色々とリサーチをしています。
先日のラスベガスでの銃乱射事件がまだ生々しく記憶に残るなか、このような記事を書くのは不謹慎かとも思ったのですが、アメリカで生活する以上は「一度は考えておくべき事」でもあると思ったので、思い切って記事にすることにしました。
銃犯罪が起きると、翌日「飛ぶように銃が売れる」と言われるアメリカ。もっとも、夫の場合は単純に、最近、治安が良いとはいえない街に引っ越してきて、私が日中、家に独りでいることが多いので「万一のときの護身に」と考えて、リサーチを始めたようです。
といっても実際住んでいるのは富裕層の多いエリアで、とても穏やかな場所。そんなもの本当にいるの??と私なんかは思ってしまうのですが…これが日本人の「平和ボケ」という感覚なんでしょうか?!
アメリカでは「自分の身は自分で守る」という考え方が基本。夫もアメリカ人なので、やはり「一家に一丁はあったほうが良いんじゃないか」と思案しているよう。
言われてみれば確かに、アメリカのアパートは建物の構造や家の間取りからしても決して「セキュリティ万全」と言い難いのは事実。体格の良い精神異常者が武器を持って侵入でもしてきたら、ひとたまりもありません。そう考えると「銃なんて要らないよ」とも安易に言い切れない複雑な気持ちに。。
そんな折に、夫が銃マニア?の上司から「軽くて使いやすい銃を持ってるから、射撃場で試してみたら?」と、コレクションの1つを貸してもらえることになったらしく…ある日、夫が「本物の銃と弾」を持って帰ってきたのですΣ(゚д゚lll)
銃なんて映画の世界以外、うまれてこのかた見たことも触ったこともない私は、当然、見た瞬間ギョッとしたのは言うまでもありません(汗)
でも「上司から借りた以上、試さないわけにはいかないよね…」ということになり、とりあえず射撃場に行ってみることに。実際に「銃」を買うかどうかはさておき、「知っておく」「体験しておく」ことは必要なんじゃないか?と思ったのもあります。
そんなわけで、二人で「射撃」にチャレンジしてみました!
実際の射撃体験はこんな感じ
▲アメリカでは「射撃場」は、わりと街なかにたくさんあります。私たちが行った近所の射撃場も、一見、普通の建物。
▲中に入ると、男性スタッフが3人くらいいて、ショーケースや壁にズラーッと拳銃が並んでいました。私たちは「持ち込み」でしたが、「レンタル(試し撃ち)」も可能な様子。
射撃前の手続き
カウンターでは、まず「同意書」を読んでサインをするように言われます。英語でものすごーくたくさん書いてあったのですが、一番強調されていたのは「飲酒やドラッグの影響下での射撃は厳禁」ということ。まぁ、当然ですよね(汗)でも、あくまで同意書なので「自己申告制」です…。
続いて、射撃場の使い方・ルールに関する「ビデオ」を見るように指示されました。これは5分もかからないくらいの普通のビデオ。
[su_list icon=”icon: check-square” icon_color=”#ef5285″]
- 防音用ヘッドフォンとメガネは場内に入る前に必ず装着しておくこと
- 場内に入れるのは1列につき2人まで
- 2つある防音扉は、1つ閉まってから次を開けること
- 銃口はどんなときでも常に的の方向に向けておくこと
- 使用が終わったら、飛散した「bullet shells(弾丸の破片)」を掃除すること[/su_list]
などなど、基本的なルールをここで確認しておきます。
その後「顔写真付きの身分証明書」を提出し、好きな「的」を選んだら先にお会計。今回は2人で「40ドル」でした。銃器をレンタルすると、もう少しかかるものと思われます。
そして、防音用ヘッドフォンとメガネを装着したら、いざ場内へ!
初の「射撃」の様子は…
▲場内は、冷んやりした密室空間。全部で10レーンくらいあって、2組くらいのお客さんが既に射撃をしていました。
「パンッ」「パンッ」
…思わず、身体が条件反射的にビクッとなってしまいました(汗)いや、これは…想像をはるかに超える発砲音!!ヘッドフォンをしていても、心臓に響くくらいの凄まじい音に、この時点で既に及び腰の私…。
▲射撃をスタートする前に、まず、購入した「的」をセットします。「的」は紙でできていて、ただボードに事務用のピンで刺すだけ(笑)
脇に設置されたボタンを押すと、このボードがロープウェイのように後方に下がっていくので、好きな位置でストップ。初心者の場合は、20フィート(約6m)くらいがベストのようです。
▲まずは夫くんから。「ピストルって、ちゃんとメンテナンスしないと誤爆するんだよ」とか言いだすので、夫が引き金を引く瞬間から、もう、私めっちゃビビりまくりです(汗)
しかも、撃つと、弾の破片(殻?)が後ろに飛んでくるんですよ。通常、この殻はフワッと飛んでくるので当たってもたぶん害はないのですが、後ろからコソコソ見ていた私は、無論、この「破片」すら恐怖…。
▲でも、夫が20発くらい軽く撃た終わったあと、私もせっかく来たわけだし…と、勇気を振り絞り、恐る恐る撃ってみることに…。初めて手にした「ピストル(拳銃)」は、手にフィットする小型のタイプのわりに、見た目よりもズッシリと重かったです。
弾丸をセットして…
ロードして…
ドキドキドキドキ…
「パンッ!!」
ひえええええええ〜〜〜!!!!!
実際に撃つと、音もさることながら…は、反動がすごい!!( ;∀;)
ホントにしっかり握らないと、音にも反動にも負けてしまいます。しかも、弾が速すぎて見えない…(←見えると思ってたのか!?w)
▲弾は一瞬なので、「的」に当たれば良いのですが…当たらないと、どこに行ったのかさっぱり。10発くらい撃って、私が当たったのはたった2発でした(^^;; (写真で当たってるのは夫のがほとんど)
おそらく撃ったときの「反動」を吸収できなくて、銃口がブレるのが原因だと思うのですが、どこに当たったのかわからないので、どう調整していいかもわかりませんw
▲夫はというと、さすがは元軍人。少し練習しただけで、すぐに狙ったところを射抜けるようになりました。すごい…!
「射撃」初体験の感想
さて、初の「射撃体験」を終えた感想は、一言でいうと…「おっかなかった」です(涙)
「銃」そのものに関しては、たぶんきちんと使い方を守って安全に使用すれば、だんだん慣れてくるのかな、という気がしました。
ですが、私が恐かったのは、むしろ「周りのお客さん」のほうでした。場内には最低限のパーテーションがあるだけで、基本的に共有スペース。個室ではありません。
一応、カウンターから常時、ガラス越しに場内が見えるようにはなっているものの、スタッフやガードマンが中で見張っているわけでもありません。受付の「同意書」も、所詮は紙切れに過ぎません。
一歩間違えば、お客さんが誤発砲する可能性だってゼロじゃないし、万が一にも頭のおかしな人が奇行に走ったらどうするんだ〜!(汗)と、私は心配で生きた心地がしなかったのです。
もちろん、皆さんモラルを持って利用しているので、そんなことは早々起きないと思うのですが、いやー恐かった!
でも、初めて本物の銃の「音」や「感触」を体験できたことは、純粋に新鮮で有意義でした。
銃規制か?護身か?はたまた「Preppers」か…?!
今回、たまたま「銃」に触れる機会があって、改めていろいろなことを考えさせられています。
アメリカに住んでみると見えてくる、銃規制の難しさ
痛ましい銃乱射事件が起きるたびに、「銃規制すべきだ!」「なぜアメリカは銃規制できないんだ!?」と強く憤りを感じる人は多いと思います。私も「銃なんて、この世から無くなってしまえばいいのに!」と思っている一人です。
だけど、実際にアメリカに住んでみると、違う局面も見えてくることに気づきます。日本と違い、アメリカでは「犯罪者は武器を持っている」ことが前提。「隣人だって武器を持っているかもしれない」。そうなったときに、自分や家族のために「念のため銃を備えておこう」というのは、ある種、自然な発想なんじゃないかとも思えてくるのです。
そう考えると、一概に、ごく一部の「凶悪銃犯罪者」と一般の「銃所持者」を直結して議論するのは若干、違和感が。
既に「銃」が浸透してしまっている以上、もはや「買うな」というのは困難。だとしたら、規制すべきは「銃の所持・使用の仕方」ではないかと個人的には思っています。
購入者のバックグラウンド調査や登録の強化、ライセンスの導入、銃点検の義務化、課税強化など「銃の所持条件を厳しくする」ことが、とにもかくにも必要なのではないかと考える次第。残念ながら今現在のアメリカでは、購入時の犯罪歴チェック以外、基本的に放任主義。精神に異常がある人やモラルのない人でも平気で銃器を扱うことができてしまうなんて、恐ろしすぎます。。
アメリカでは「プレッパーズ」と呼ばれる人々が増えている
そして、アメリカの「銃社会」を考えるうえで、最後にもう1つだけ触れておきたいのが、いまアメリカで急速に増えている「Preppers(プレッパーズ)」と呼ばれる人々の存在。
「プレッパーズ」とは、将来、災害や戦争、あるいは予期せぬ異常事態が起きることを想定して、サバイバルのための「準備をする」人々のことをいいます。
アメリカでは「Doomsday Preppers(地球滅亡の日に向けて準備する人々)」というテレビ番組が流行ったこともあり、いまや「プレッパーズ」人口は国内で300万人にものぼるといわれています。
番組のなかでは「地下にシェルターやトンネルを作る家族」、「武器の訓練に明け暮れる人々」や「銃撃戦に備えて戦車まで購入した人」などなど…度肝を抜かれるような人々が毎回登場。側からみたら滑稽に見えますが、皆、大真面目なんです!
もちろん、テレビで放映されるのは極端な例で、「プレッパーズ」と呼ばれる人のなかには、単に自給自足の生活をする人や、食糧・防災グッズを備蓄するだけの人など、レベルはさまざま。ただ、1つ指摘されているのが「プレッパーズは複数の銃器を所持する傾向がある」ということ。
実際、今回の射撃体験のきっかけになった夫の上司も、自称「プレッパーズ」。家には10丁を超える拳銃やライフルのコレクションがあり、「有事の際に」と飼っている犬ももちろん大型犬。
夫の話だと、その上司は「何かあったときに家族と国を守るんだ!」と言っているんだとか…。でも、実際にお会いしたこともあるんですが、別に変な人ではないんですよ。ごく普通の良い人で、「体育会系だからマインドがシンプルなんだろうな」という印象がある程度w
何が言いたいかというと、こんなふうに「プレッパーズ」と呼ばれる人々は身近にいて、目的や程度は人によって違えど、共通するのは「政府への不信感」と「大切な人を守りたい」という素直な気持ちだということ。そして、それが「武器所有に拍車をかけている」ことも、アメリカの銃社会の一端を担っていると思うんです。
これは私の推測ですが、ここ近年、銃の「所有世帯」が減っているにも関わらず、銃の「所有総数」が増えている(つまり、1所有者の所持数が増えている)のは、こういった「プレッパーズ」の影響もあるんじゃないかな、と。
こういう人たちから「銃」を取り上げる事はおそらくかなり難しく、今後も増えていくことを考えると、アメリカの「銃社会」問題はいよいよ複雑化してきているな、と感じます。
というわけで、最後は話がややこしくなってしまいましたが、いかがでしたでしょうか?
「射撃体験」自体は、アメリカならではのアクティビティなので、興味のある方にはオススメ☆
ただ今回は、やっぱりただの「射撃体験」で終わりたくなくて、勉強不足は承知のうえで、アメリカの銃社会について見聞きしたこと、感じたことにも触れさせていただきました。
賛否両論あろうかとは思いますが、いちアメリカ在住者の声として、そんな感じなんだなーと心に留めていただければ幸いです!
それではまた☆ 最後までお付き合いいただきありがとうございました。
2016年に時の大統領であるオバマ大統領が銃規制に向けた政策を発表したら
「銃が手に入りにくくなるかも知れない」と思った人が多かったのでしょう、
駆け込み需要が起きたそうですよ。
そうなることが予測されたため銃関連企業の株価も上昇したそうです。
まろんさん、コメントありがとうございます!
そうなんですね…駆け込み需要が起きるのは住んでみるとよく分かる気がします。
購入を制限するとそうなるので、課税や定期検査など、「所持し続けることが面倒」な規制にしたら良いのでは?なんて素人アタマでは思うのですが、結局は株価上昇にもあるように、武器メーカーや一部の利権関係者が権力を牛耳っているので、現実は規制云々の話ではないのかもしれませんね…。
日本は素晴らしい国だとつくづく思います。